本研究では、国の指定難病であるヒト特発性肺線維症(IPF)の新規治療薬の開発に向け、ヒトシアリダーゼNEU1の選択的阻害剤の創製を目的とした。我々は、先行研究においてNEU1を高酵素選択的かつ高度に阻害できるリード化合物を見出しており、本研究では、より高い阻害活性を有する化合物の創出を目指した。 四種の新規化合物を分子設計し、それらを有機化学的手法により合成した。得られた化合物のNEU1阻害活性を評価したところ、リード化合物と同等の活性を示したものの、リード化合物を超える化合物の創出には至らなかった。一方、本研究において、リード化合物の新規合成経路を確立し、大量合成化を実現した。
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