研究課題/領域番号 |
21K19080
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研究機関 | 京都工芸繊維大学 |
研究代表者 |
片岡 孝夫 京都工芸繊維大学, 応用生物学系, 教授 (20242307)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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キーワード | 細胞傷害顆粒 / perforin / IFN-γ |
研究実績の概要 |
リソソームに局在する膜貫通タンパク質として、cation-dependent mannose 6-phosphate receptor (CD-MPR)、cation-independent mannose 6-phosphate receptor (CI-MPR)、液胞型H+-ATPaseサブユニットATPV0A1の膜貫通ドメインを含む領域をクローニングした。蛍光タンパク質EGFPとエピトープタグFLAGを有する発現ベクターを構築した。さらに、この発現ベクターにperforinと膜貫通ドメインを含む領域(CD-MPR)を連結した融合遺伝子を挿入した。 マウス細胞傷害性T細胞株CTLL-2、ラットナチュラルキラー(NK)様細胞株RNK-16、ヒトNK様細胞株YTN10、ヒトNK様細胞株KHYG-1、ヒトNK様T細胞株MTAについて、Nucleofectorによる遺伝子導入効率の検討を行った。RNK-16以外の細胞株であるCTLL-2、YTN10、KHYG-1、MTAでは、遺伝子導入効率が低いが、pmaxGFP遺伝子が一過的に導入されることが確認された。 CTLL-2細胞からRuntファミリー転写因子Runx3をクローニングし、Runx3を導入したマウスリンパ腫BW5147細胞を構築した。Runx3を導入したBW5147細胞をホルボールエステルとカルシウムイオノフォアで刺激すると、IFN-γ mRNAの発現が誘導されたが、CTLL-2での発現量に比較して、perforin mRNAやgranzyme B mRNAはほとんど検出されなかった。T-box転写因子Eomesoderminを導入したマウスリンパ腫EL4細胞では、ホルボールエステルとカルシウムイオノフォアによる刺激で誘導されるIFN-γ mRNA及びIL-2 mRNAの発現が転写因子NF-κBに非依存的であることを明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究では、Nucleofectorを用いてNK細胞株等への遺伝子導入を試みているが、perforinやgranzyme Bの膜結合型ハイブリッド分子を導入したNK細胞を樹立できていないため。
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今後の研究の推進方策 |
本研究では、Nucleofectorによる遺伝子導入法を最適化することによって、膜結合型ハイブリッド分子を導入したNK細胞等の樹立を試みる。さらに、レンチウイルスベクターを用いた遺伝子導入法も試みることによって、膜結合型ハイブリッド分子を導入したNK細胞等の樹立を試みる。
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