研究課題/領域番号 |
21K19082
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
関 光 大阪大学, 工学研究科, 准教授 (30392004)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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キーワード | トリテルペンサポニン / 生合成 / 酵素 / メタボロン / チャネリング / 酵母 |
研究実績の概要 |
トリテルペン配糖体(以下、サポニンと記述する)は植物が生産する有用物質であり,有名なものに甘味料等として使用される甘草のグリチルリチンやマメ科植物が共通して産生するソヤサポニンがある.本研究では,植物が産生する有用物質であるトリテルペン配糖体(以下、サポニンと記述する)の生合成に関わる酵素タンパク質が小胞体膜上で「代謝酵素複合体(メタボロン)」を形成し生合成中間体を拡散させずに酵素間で受け渡すことによって生合成を円滑化する「チャネリング」機構が存在するかを検証するとともに,人工的にメタボロン形成を促進することによって微生物細胞におけるサポニン生産の生成量増加が可能かを検証する.2021年度は,サポニン生合成に関わる各酵素タンパク質間にタンパク質-タンパク質相互作用があるかを膜タンパク質の相互作用解析に適した酵母ツーハイブリット法であるスプリットユビキチン法を用いて解析した.その結果,オキシドスクアレン環化酵素の一種であるβ-アミリン合成酵素と糖転移酵素(セルロース合成酵素様タンパク質,CSyGT)の間に直接的な相互作用を認めた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
サポニン生合成に関わる各酵素タンパク質間にタンパク質-タンパク質相互作用があるかを膜タンパク質の相互作用解析に適した酵母ツーハイブリット法であるスプリットユビキチン法を用いて解析した.その結果,オキシドスクアレン環化酵素の一種であるβ-アミリン合成酵素と糖転移酵素(セルロース合成酵素様タンパク質,CSyGT)の間に直接的な相互作用を認めた.
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今後の研究の推進方策 |
さらに詳細なタンパク質間相互作用の解析を行う.また,植物細胞の小胞体膜上で特定のP450タンパク質間の相互作用を促進するとの報告がある,膜ステロイド結合タンパク質の共発現がサポニン生合成酵素間の相互作用および酵母細胞内でのサポニン生成量におよぼす効果を解析する.
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