土壌還元消毒(ASD)は、幅広い作物の病原菌に対し消毒効果を示すが、冷涼地域では還元化が進行せず、効果が不安定である。また、土壌くん蒸剤と比較して処理費用も高い。従って、低温かつ低コストで消毒効果を発揮できれば、ASDは世界中で利用可能な革新的技術となり得る。本研究より、カプロン酸を土壌に施用することで、簡便に土壌を消毒できることがわかった。また、その効果は低温下でも発揮されることが示唆された。さらに、E801株を用いて安価な酢酸とエタノールから高濃度カプロン酸を発酵生産できることもわかった。今後、圃場試験などを通してさらに検討を進めることで、革新的な土壌消毒法の実現に繋がることが期待される。
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