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2022 年度 実績報告書

持続的農業を実現する作物生体ナノデバイス開発

研究課題

研究課題/領域番号 21K19117
研究機関岡山大学

研究代表者

平山 隆志  岡山大学, 資源植物科学研究所, 教授 (10228819)

研究分担者 林 靖彦  岡山大学, 自然科学学域, 教授 (50314084)
持田 恵一  国立研究開発法人理化学研究所, 環境資源科学研究センター, チームリーダー (90387960)
研究期間 (年度) 2021-07-09 – 2023-03-31
キーワードカーボンナノチューブ / ナノセンサー / 活性酸素 / 植物ホルモン
研究実績の概要

生体の生理状態を経時的に把握する手法は、今後のデータ科学を活用することが想定されるあらゆる生命科学分野で必要である。本課題研究では、組織にナノ分子を挿入する実験が容易な植物を対象に、カーボンなのチューブを基盤としたナノ生体センサーの開発を試みた。昨年度までに、既に報告がある活性酸素(H2O2)を認識して蛍光波長が変化するDNAで分散化したカーボンナノチューブを用いて、シロイヌナズナおよびタバコ葉で、傷害に応答した活性酸素生産を観測することに成功した。
本年度は、この活性酸素センサーの汎用性を調べるために、果樹であるモモのを対象に傷害に応答した活性酸素の生産観測を複数回試みたが、その観測には至らなかった。この原因については、特定に至らず今後の課題となった。また、本年度は新たなセンサー開発に取り組んだ。植物の生理状態を強く反映すると考えれている植物ホルモンの生体センサーの開発を試みた。まず、植物ホルモンのトランスゼアチンやアブシジン酸と結合するとされる複数種のDNA配列でカーボンナノチューブを分散化し、これらのホルモンに応答するかどうか調査した。その結果、残念ながらこれらは全て、それぞれのホルモンへの応答は確認できなかった。次に、センサーに必要なDNA配列を探索することを試みた。環境ストレスの応答に関与するアブシジン酸、ジャスモン酸、サリチル酸それぞれとランダムな配列を持つDNAでカーボンナノチューブを分散化し、分散化されたものからDNAを分離し、これをPCRで増幅したのち同様に分散化しDNAを抽出するということを繰り返すことで、センサーに利用できるDNA配列を特定するという方法である。これまでのところ、まだその配列の特定には至っていないが、ホルモンにより分散化効率が異なることから、特定の配列が獲得できると期待される。今後継続して新規植物ホルモンセンサー開発を達成する。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2022 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 備考 (3件)

  • [雑誌論文] Plant Hormonomics: A Key Tool for Deep Physiological Phenotyping to Improve Crop Productivity2022

    • 著者名/発表者名
      Hirayama Takashi、Mochida Keiichi
    • 雑誌名

      Plant and Cell Physiology

      巻: 63 ページ: 1826~1839

    • DOI

      10.1093/pcp/pcac067

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [備考] 岡山大学 資源植物科学研究所 環境応答機構研究グループ

    • URL

      https://www.rib.okayama-u.ac.jp/ers/index-j.html

  • [備考] 岡山大学大学院 林靖彦研究室

    • URL

      https://hayashi-lab.org/

  • [備考] 理化学研究所 環境資源科学研究センター バイオ生産情報研究チーム

    • URL

      https://www.csrs.riken.jp/jp/labs/birt/index.html

URL: 

公開日: 2023-12-25  

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