現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
イネアノテーションデータベースRAP-DBを用い、アミノ酸配列の相同性を基にCAM型光合成関連遺伝子として、OsβCA2, OsPPC2a, 及びOsPPCK3,他8種を選定した。これらの発現日変化パターンをRiceXProから入手し、アイスプラントと比較した。その結果、4種の遺伝子の発現パターンが、アイスプラントの相同遺伝子と逆の位相を示すことが明らかとなった。これらの遺伝子の転写調節因子結合部位を、DNase I高感受性領域(DHSs)データベースPlantDHSを用いて推定し、結合する転写調節因子をNewPLACEで推定した。その結果、OsβCA2, OsPPC2a, OsPPCK3, OsPCKの発現の制御に関わるシス因子の候補としてそれぞれ15種類, 19種類, 14種類, 24種類を見出した。 シロイヌナズナはPEPCキナーゼ(AtPPCK1)の転写開始点5´上流2000 bpを対象に、DMS-PCR法とPlantDHSによってシス因子を推定し、転写調節因子の結合コンセンサス配列データベースJASPARの情報を基に9種類のトランス因子を同定し、1日の遺伝子発現プロファイリングデータベースDirnalの情報を基に3種に絞った。 CAM植物アイスプラントではPEPC(Mcppc1)及びPECキナーゼ(McPpck1)を対象に、シロイヌナズナと同様な手法で、シス因子及び転写調節因子を推定した。その結果、いずれもシス因子の存在する領域とその数および候補転写調節因子を推定した。 このように、C3植物における改変すべき遺伝子、及びその発現制御に関わるシスエレメント及び転写調節因子を推定することができたことから、ほぼ予定通り進捗していると判断した。
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