研究課題/領域番号 |
21K19158
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研究機関 | 国立研究開発法人水産研究・教育機構 |
研究代表者 |
加藤 慶樹 国立研究開発法人水産研究・教育機構, 開発調査センター, 主任研究員 (20571582)
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研究分担者 |
広橋 教貴 島根大学, 学術研究院農生命科学系, 教授 (90376997)
佐藤 成祥 東海大学, 海洋学部, 特任講師 (40723854)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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キーワード | 頭足類 / 性的共食い / 生存戦略 / 外洋性頭足類 / 食性解析 |
研究実績の概要 |
水産研究教育機構 開発調査センターで収集した頭足類(アカイカ、スルメイカ、マツイカ、ミナミスルメイカ、ケンサキイカ、NZスルメイカ)の食性情報(72403データ)をデジタルデータベースとして整備した。これを用いた簡易解析によるとアカイカ雌の成熟個体で特異的に共食い行動があることが確認された。今後は、詳細な統計モデル解析を行い、季節性や成熟度との関係を明らかにしていく。 遺伝解析では、何個体のオスが生殖に関係しているかを調べるため、父性解析の為のマイクロサテライトマーカー(SSR)の開発した。また、カニバリズム及び性的カニバリズムの有無、頻度を明らかにするため、今年度は父性解析の為のマイクロサテライトマーカーの開発に取り組んだ。さらに、次世代シークエンサーを用いたショートリード全ゲノムシークエンシングを行い、約320万のペアエンドのクリーンリードを得た。これから、MISA-Primer 3パイプラインを用いて約2万のSSR候補を得た。加えて、PCR/ポリアクリルアミド電気泳動によるスクリーニングで7座のSSR候補を選別した。今後は、マイクロサテライトマーカの検証を実施したうえで、雌の胃内容物と貯精嚢のマッチング作業のための材料が整備する。 アカイカ成熟個体サンプルを収集するための漁業者との協調関係を構築し、今年度は12月から3月まで沖縄県で各月20個体ずつ取得した。現在は、これらのサンプルの生物測定や遺伝解析を開始している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナ感染症の影響で、対面での打合せが出来ていないが、遺伝解析に必要なマーカを作成し、継続的なサンプル取得の目処もたち、順調に分析を開始している。
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今後の研究の推進方策 |
追加のサンプルを収集し、測定個体数を増やすことが必要である。また、データベースが想定よりも大きなものとなったことから、ビックデータを扱える計算機の導入を検討する必要がある。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ感染症対策の行動制限が実施されていたことから、多くの会議や打ち合わせをオンラインで実施したことから、旅費の未使用が生じた。また、ビックデータ解析のために構成の計算機が必要となっているが、世界的半導体不足の影響を受けて、入手できない状況から、物品費の未使用が生じている。
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