研究課題
挑戦的研究(萌芽)
本研究は、我が国が有するユニークで攻撃性の異なる全国のニワトリリソースを用いて、極端に高い攻撃性の遺伝基盤を明らかにすることを目的とした。闘鶏用品種等の特に攻撃性の高い品種を中心とした全ゲノムシークエンスの集団ゲノム解析と脳内遺伝子発現解析(RNA-seq)により、攻撃性を支配している候補遺伝子を抽出し、その分子メカニズムの仮説を提案した。
システム行動生物学
ニワトリは、野鶏から数千年の時を経て家畜化されたものの、ケージというグループサイズの小さな飼育環境において育種改良が重ねられてきたため、野鶏が有していた高い攻撃性は現在の家畜化されたニワトリにおいても残存している。実際に、地鶏生産などにおいても、攻撃行動による斃死率の増加は長年の課題であり、この問題行動の遺伝的改良の基盤を構築することができたという点で意義あるものである。