研究課題
発達期の脳へのエストロゲン感作により、キスペプチンニューロンにおけるキスペプチン遺伝子(Kiss1)発現が特異的かつ不可逆に消失するメカニズムを解明するために、下記の研究を実施した。(1)キスペプチンニューロンを常時可視化できる遺伝子改変ラットの作出:キスペプチンニューロンをKiss1発現の有無に関わらず蛍光蛋白により常時可視化できる遺伝子改変ラットの作製に成功した。さらに、発達期の様々なフェーズにおいて(生後1日目から成体まで)の脳における蛍光発現細胞を組織学的に検索し、その発現細胞数と発現の時期に雌雄差があることを明らかにした。この成果を、現在論文を投稿中である。(2)キスペプチンニューロン常時可視化ラットを用いた発達脳でステロイド処理の効果の検証:生後にテストステロンを投与した雌ラットにおいて排卵中枢における可視化キスペプチンニューロンが雄型に変化し黄体形成ホルモン(LH)サージが消失することを確かめた。この結果により、発達期の雄ラットではテストステロンが排卵中枢のキスペプチンニューロンを著しく減少させ排卵中枢の機能が消失することが明らかになった。(3)キスペプチンニューロンに発現する遺伝子リストの作成:上記キスペプチンニューロン常時可視化ラットを用いて、キスペプチンニューロンを単離し、そのRNA-seq解析を実施し、排卵中枢および卵胞発育中枢に分布するキスペプチンニューロンに発現する遺伝子リストを得た。
すべて 2023 2022
すべて 雑誌論文 (10件) (うち国際共著 3件、 査読あり 10件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (22件) (うち国際学会 8件、 招待講演 2件)
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