本研究では、研究代表者がこれまで発見した「見かけ正常な受精不全精子」に着目して、ヒトや家畜等で異常精子を検出できる抗体作製と新規候補因子の同定をゲノム編集マウスの開発を通して実施した。その結果、良質な抗体を得ることはできなかったが、精子膜タンパク質SPACA4と精巣上体タンパク質LCNs、LY6G5B/Cが精子受精能力に必要で診断マーカー候補となる事を見つけた。さらに、マウス解析からPDCL2タンパク質が精子形成に必須であることを発見し、このヒトタンパク質に特異的に結合する2種類の小分子化合物の同定に成功した。現在、これらを用いて可逆的な受精能阻害効果の検討を進めている。
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