近年、ある環境に生息する細菌群集からゲノムDNAを直接回収・解析するメタゲノム手法は注目されている研究分野の一つである。しかし、アセンブル・ビンニングにより各菌のゲノムを再構成させ、さらには表現型との因果関係まで繋げようとすると解析は極めて困難であると言わざるを得ない。このような問題に対して、二群間で異なる多様性を持つゲノム領域を効率的に抽出することを可能にする本成果の利用は、研究遂行を容易にする効果が期待される。残念ながらデータ量の不足などから、両群の表現型とのリンクまでを直接的に見出すことは、現時点で困難であるが、候補箇所の効率的な抽出による候補の絞り込みが可能となり、その意義は大きい。
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