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2021 年度 実施状況報告書

光駆動型神経機能素子の開発

研究課題

研究課題/領域番号 21K19229
研究機関香川大学

研究代表者

藤原 祐一郎  香川大学, 医学部, 教授 (20532980)

研究分担者 川鍋 陽  香川大学, 医学部, 講師 (10707128)
研究期間 (年度) 2021-07-09 – 2023-03-31
キーワードイオンチャネル
研究実績の概要

新しいタイプの光駆動性イオンチャネルおよび光駆動性膜機能蛋白質を創製することを目的とする。光異性化を起こすアゾベンゼンを利用して、電位依存性チャネルの電位センサーを動かし、光によるイオンチャネル活性の制御や電位センサーに付加した酵素などの機能分子の制御を行う。共通する電位センサーをターゲットにすることで、多くの電位依存性チャネルファミリーに適用できるため、これまでの光駆動性ツール(藻類由来チャネルロドプシン)にはない、ネイティブ神経チャネルの高いイオン選択性と軸索細胞膜局在・アクセサリー分子の会合を保つ光駆動性チャネルを次々に作成することが可能となる。これらの取り組みにより、分子構造や動作機構に立脚して戦略的に光駆動性チャネル・光駆動性膜蛋白を創製するプラットフォームを構築する。
本年度は、細胞外領域が殆どなく、ゲートに関係する膜貫通領域がカルボキシ端終末であり人工チャネルのテンプレートとして使いやすいことが期待されれ、BmGr9チャネルおよび、最小の電位センサーチャネルであるHvチャネルを対象に実験を進めた。AlphaFold2により予測した立体構造解情報を基に、チャネルがClosed構造からOpen構造に変化する際に変わる残基間距離を計算した。光異性化距離に相当する残基ペアに、アゾベンゼン誘導体を架橋するためのCys変異を導入した。
ポアヘリックス、近接するヘリックス間距離をアゾベンゼンの光異性化によりコントロールすることを試みた。網羅的に多くの変異体コンストラクトを作成し、変異体チャネルをXenopus卵母細胞に発現させ、アゾベンゼン誘導体をスルフヒドリル反応で付加し、光異性化波長を照射し、電気生理学的に測定した。本年度は、光で操作することができるBmGr9チャネルを3種類得ることが出来た。Hv電位センサーを光で操作するチャネルを得ることは出来なかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

BmGr9チャネルの開閉を光照射によりコントロールすることに成功したため。次年度は、このチャネルを基盤として、発展的にチャネルの構造機能相関、細胞機能の光操作実験に進むことができるため。
本研究費で実験補助員(1名)を雇用し、レーザー光源およびその周辺装置を揃え、Cys導入変異体作成から電流解析まで一連の使いやすい解析システムを構築することに成功した。次年度以降に、解析システムが有効に働くことが期待できるため。

今後の研究の推進方策

本年度は、扱いやすいイオンチャネルを用いて実験を進め、変異体作成から電流解析まで一連の解析システムを構築することに成功した。BmGr9チャネルの開閉を光照射によりコントロールすることに成功した。次年度は、BmGr9チャネルを基盤として、どのようにチャネルが光で開閉するのかを明らかにする構造機能相関研究、細胞機能を光でコントロールすることを試みる。また、Hvチャネルに対して構造-機能解析・分子計算まで含めて、これまで最も研究の進んでいる電位センサーを有する電位依存性チャネルを対象として研究を進める。数多くのCys導入変異体を作成し、スクリーニングを行う。適宜、立体構造予測、分子計算解析も導入し、プロジェクトの成功に繋げる。

次年度使用額が生じた理由

発注試薬の納期の遅れ、および計算科学を取り入れて研究を遂行する必要が生じたため学内計算機器設備による分子構造計算を取り入れて研究を行ったため、物品費の使用に遅れが生じた。実験補助員の雇用が遅れたため、人件費の使用に遅れが生じた。社会情勢の変化により旅費が使用できなかった。
翌年度分として請求した助成金と合わせた、直接経費(4,032,497円)の使途は以下の通り。
物品費:2,100,000円、旅費:100,000円、人件費:1,800,000円、その他:32,497円。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2022 2021

すべて 学会発表 (4件) (うち招待講演 1件)

  • [学会発表] The voltage-gated proton channel is regulated by ATP2022

    • 著者名/発表者名
      川鍋陽、高田麻紀、藤原祐一郎
    • 学会等名
      第99回日本生理学会大会
  • [学会発表] Functional Characterization and Molecular Basis of KcsA Modulation by Phosphoinositides2021

    • 著者名/発表者名
      紀谷拓音、川鍋陽、藤原祐一郎
    • 学会等名
      第126回日本解剖学会総会・全国学術集会 第98回日本生理学会大会 合同大会
  • [学会発表] Mechanism of selective transport of sugar in sodium-glucose co-transporter SGLT2021

    • 著者名/発表者名
      神鳥和代、城田松之、藤原祐一郎
    • 学会等名
      第73回日本生理学会中国四国地方会
  • [学会発表] Structural Basis for Temperature-Sensitive Gating of Voltage-Gated H+ Channels2021

    • 著者名/発表者名
      藤原祐一郎
    • 学会等名
      第59回日本生物物理学会年会
    • 招待講演

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公開日: 2022-12-28  

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