研究課題/領域番号 |
21K19270
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
竹本 龍也 徳島大学, 先端酵素学研究所, 教授 (30443899)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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キーワード | 原腸陥入 |
研究実績の概要 |
将来の体を構成する体細胞は、すべて胚発生初期の一層の多能性細胞集団(エピブラスト)に由来する。一層のエピブラストは、原腸陥入に伴う細胞移動によって複雑な三次元構造を作り出す。エピブラスト層から胚の内側に潜り込んだ細胞の一部は、体節中胚葉として将来の骨や筋肉を形成し、エピブラスト層に留まった細胞は神経系や表皮を形成する。 本研究では、原腸陥入開始時に基底膜に穴をあけ、あるいは基底膜の間隙を広げて、胚の内側に潜り込む最初の細胞を同定するとともに、他の予定中・内胚葉の集団との違いを明らかにする。さらに、リーダー細胞を特徴付ける遺伝子の機能に介入することで、どういった仕組みで原腸陥入が開始されるのかを明らかにする。 今年度は原腸陥入時の細胞や細胞外基質を蛍光標識できるレポーターマウスを用いて、対象組織のライブイメージングを行なった。基底膜のレポーターマウスの蛍光が弱く、深部の観察が困難であることが判明したため、別のタイプのレポーターを作製することと、撮像の方法を変えることの両方に取り組んでいる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
使用予定であった基底膜レポーターマウス(R26-NidmCherry)の蛍光が弱く、深部の観察が困難であることが判明したため、別のタイプのレポーターを作製することと、撮像の方法を変えることの両方に取り組んでいる。具体的には、Nidogen-mScarlet knockinマウスの作製を計画している。
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今後の研究の推進方策 |
ライブイメージングを効率よく実施するための方法について、マウス側と撮像側の両方から取り組んでおり、2022年度7月までに解決する。並行して、効率よく細胞標識するための手法を確立して、7月以降に対象細胞の細胞標識と解析を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度の期間中に、ライブイメージングを終了させる予定であったが、期待していた撮像ができなかったため、実験が遅れている。このために、本来であれば購入予定だった細胞の解析が実施できなかったため、次年度使用額が生じた。翌年度分として請求した研究費と合わせてその費用に使用する予定である。
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