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2022 年度 実績報告書

新たなグリーンイノベーション実現に貢献するコリンによる植物生育促進の機構解明

研究課題

研究課題/領域番号 21K19278
研究機関長浜バイオ大学

研究代表者

蔡 晃植  長浜バイオ大学, バイオサイエンス研究科, 教授 (00263442)

研究期間 (年度) 2021-07-09 – 2023-03-31
キーワード植物の生育促進 / 光合成促進 / 塩化コリン / N-アリルグリシン / メタボローム / トランスクリプトーム
研究実績の概要

塩化コリンとN-アリルグリシンをコムギプロトプラストに処理すると光合成活性が約10%上昇することが知られている。そこで、塩化コリンやN-アリルグリシンが植物の生長に与える影響を調べるために、6 μMの塩化コリンまたはN-アリルグリシンをシロイヌナズナやBrassica rapa sp. onoena (尾上菜) に処理したところ、乾燥重量が約10%から25%増加した。次に、この生長促進と光合成促進活性との関係を調べるために、尾上菜とシロイヌナズナに塩化コリンまたはN-アリルグリシンを葉面散布と灌注処理し、光合成活性を測定したところ、処理後6日目までに光合成活性が約15%から25%上昇した。そこで、このような光合成促進と生育促進の関係を明らかにするために、光合成活性を有するシロイヌナズナT87培養細胞と光合成活性を有さないイネOc細胞とタバコBY-2細胞に塩化コリンとN-アリルグリシンを処理したところ、T87培養細胞では生育促進が認められたが、Oc細胞とBY-2細胞では生育促進が認められなかった。このことから、コリンとN-アリルグリシンによる生育促進は光合成活性の促進に起因することが初めて明らかになった。そこで、光合成促進の機構を調べるため、尾上菜に塩化コリンまたはN-アリルグリシンを処理し、発現変動する遺伝子をRNAseqで調べたところ、塩化コリン処理とN-アリルグリシン処理で処理後3日目では761個、処理後6日目では1458個の遺伝子の発現が共通して上昇していた。これらの遺伝子についてGOエンリッチメント解析を行ったところ光合成の電子伝達系に関わる遺伝子が含まれていた。以上の結果は、塩化コリンおよびN-アリルグリシンは共通の経路を介して光合成の電子伝達系を促進することで生育促進を引き起こしていることを示している。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うちオープンアクセス 1件) 学会発表 (5件)

  • [雑誌論文] 光合成促進活性を有するN-アリルグリシンによって誘起される植物生長促進とその機構2022

    • 著者名/発表者名
      蔡 晃植、池田直樹、神村麻友、鈴木昭憲
    • 雑誌名

      植物の生長調節

      巻: 57 ページ: 57-61

    • オープンアクセス
  • [学会発表] コリンおよび N- アリルグリシンによる植物生長促進とその分子機構2022

    • 著者名/発表者名
      池田 直樹,松浦 佑馬,神村 麻友,蔡 晃植
    • 学会等名
      日本農芸化学会2022年度大会
  • [学会発表] 塩化コリンとN-アリルグリシンによる植物生長促進の機構解析2022

    • 著者名/発表者名
      池田直樹、上杉晃作、神村麻友、蔡晃植
    • 学会等名
      植物化学調節学会第57回大会
  • [学会発表] 塩化コリンとN-アリルグリシンによって誘導される植物生長促進の機構解析2022

    • 著者名/発表者名
      池田直樹、上杉晃作、神村麻友、蔡晃植
    • 学会等名
      第45回日本分子生物学会年会
  • [学会発表] 塩化コリンとN-アリルグリシンによって引き起こされる植物生長促進の分子機構2022

    • 著者名/発表者名
      池田直樹、上杉晃作、神村麻友、蔡晃植
    • 学会等名
      第5回北陸線植物バイオサイエンス研究会
  • [学会発表] 塩化コリンによって誘導されるシロイヌナズナの生長促進の機構解析2022

    • 著者名/発表者名
      上杉晃作、池田直樹、神村麻友、蔡晃植
    • 学会等名
      第5回北陸線植物バイオサイエンス研究会

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公開日: 2024-12-25  

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