1990年代、分子遺伝学の発展を前に、光合成における概日リズムの重要性が報告された。しかし、そのような報告から20年以上経った今もなお、概日リズムがどのように光合成に寄与するのか、その分子機構の全容は明らかになっていない。応募者は最近の予備的実験から、光防御を制御する転写因子NF-Yが光依存的な概日リズム形成に寄与することを見出した。この現象は、従来行われてきた概日リズムの研究や集光アンテナ分子の発現制御研究から見出すことは難しく、これまで見過ごされてきた「光合成と概日リズムを結びつける」新たな分子機構と言える。
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