研究課題/領域番号 |
21K19291
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
小薮 大輔 筑波大学, プレシジョン・メディスン開発研究センター, 准教授 (60712510)
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研究分担者 |
武智 正樹 順天堂大学, 医学部, 准教授 (10455355)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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キーワード | 出産 |
研究実績の概要 |
アジア産コウモリ類について8 科28種のデータのCT撮影を行い,骨盤,骨盤筋群,靭帯,生殖器を含む腰帯形態の三次元画像化を行なった.さらに,アメリカ自然史博物館,ウィーン大,オーストラリア国立大,カリフォルニア大学ロサンゼルス校,ストーニーブルック大学の協力によりアジア地域外産の標本を撮像し,現生の科をほぼ網羅するCT画像データベースを構築した.これらを用い,コンピューター上で骨盤,筋,靭帯,生殖器を再構築し,種間比較と雌雄の性差比較を行ってコウモリ類のメスに共通する質的・量的・幾何的形質を抽出した.加えて,分娩時の骨盤近傍の靭帯・筋における遺伝子発現の解析を行うため,国内およびベトナムで周産期および非周産期のコウモリの捕獲を実施し,ヒナコウモリ,キクガシラコウモリ,オオコウモリを入手した.妊娠ステージの異なる妊娠個体を捕獲して安楽殺後,腰帯を剖出した.哺乳類では一般的に分娩にむけ出産直前に子宮頸管が軟化・拡張することが知られるが,靭帯伸長のスイッチイングと子宮頸管の軟化・拡張に関与する遺伝子発現動態を明らかにするため,RLN1 ,MMP,FIB5,LOXL1をリア ルタイムPCRに供し,非妊娠時~各妊娠ステージにかけてRLN1 ,MMP,FIB5,LOXL1の発現量がどの部位で変動するのか,定量的な動態解析を進めた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
課題期間中,新型コロナウイルスの感染拡大継続により特に野外でのサンプル収集を進められない状況も続いたが,この間はCT撮像と三次元形態解析を中心に研究を進める事ができた.ようやく収集が再開できるようになった2022年は国内において重要な繁殖時期に捕獲を実施することができ,収集サンプルの状態もよく,支障なく遺伝学的解析を進めることができた.
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今後の研究の推進方策 |
国内における標本収集は順調に進んでおり,恐らく2023年度中には研究課題の達成に必要なキクガシラコウモリとヒナコウモリの標本の入手が済むと想定される.一方で,繁殖時期の特定が他群に比べ困難であること,新型コロナウイルスの感染拡大に伴い,ベトナムでの捕獲調査を複数回は行えなかったことにより,重要な対象群であるオオコウモリ類の妊娠個体標本は不足気味となっている.2023年度はベトナムも調査受け入れがコロナ禍以前に戻りつつあるため,できるだけ調査を実施し,オオコウモリ類の妊娠個体標本の収集に注力する.遺伝学的解析については若干マンパワーに不足があるが,実験補佐員を雇用し,効果的に実験を推進する.
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次年度使用額が生じた理由 |
適任の実験補佐員を雇用することができなかった,残額が想定より発生してしまった.新年度では早急に実験補佐員を雇用し,研究を計画的に進めることを目指す.
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