研究課題/領域番号 |
21K19298
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
加藤 泰彦 大阪大学, 大学院工学研究科, 准教授 (60415932)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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キーワード | エネルギー分配 / DNMT3 / ミジンコ / DNAメチル化 |
研究実績の概要 |
オオミジンコにおいて、哺乳類の de novo DNA メチル化酵素3(DNMT3)のオーソログをコードしている DNMT3.1 遺伝子は、オオミジンコが摂取するエネルギーの減少に伴って、成長と繁殖の間のエネルギー分配を決定する。これは、DNMT3.1 発現細胞がエネルギー分配の中枢細胞であることを強く示唆するものである。DNMT3.1 が制御する遺伝子ネットワークを明らかにするために、昨年度に引き続き本年度は DNMT3.1 遺伝子座に蛍光タンパク質遺伝子をノックインし、DNMT3.1 発現細胞を蛍光ラベルすることを試みた。昨年度に DNMT3.1のイントロンを狙って切断する TALEN を設計し卵に注入すると予想外に毒性が高いことが判明した。このため、異なるイントロンを狙った TALEN の設計を試みたが標的配列の GC 含量等の問題により設計が困難であることが明らかとなった。そこで、より標的配列の設計の自由度が高い CRISPR/Cas9 を用いることとした。複数の gRNA を設計し、各 gRNA を Cas9 と卵に注入することで切断能を評価したところ、切断能力の高い gRNA を見出した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
DNMT3.1 遺伝子座を切断する標的配列の選定に時間がかかったため、DNMT3.1 発現細胞を可視化できる遺伝子組換えミジンコを作出することができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
本年度見出した gRNA を用いたノックイン実験を行う。そして、形質転換体を利用して飢餓ストレスを与えた個体から DNMT3.1 発現細胞を蛍光により分取し、トランスクリプトーム解析、DNA メチル化解析を行う。その後、当初の計画通り、飢餓ストレス以外の温度、重金属、農薬などの環境要因に依存した DNMT3.1 発現細胞の遺伝子発現、DNA メチル化解析と統合することで、DNMT3.1 によって制御される遺伝子ネットワークを解明する。
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次年度使用額が生じた理由 |
DNMT3.1 遺伝子座への蛍光タンパク質遺伝子のノックインに想定していた以上に時間を要しており、目的の遺伝子組換え体を作製することができず、これを用いた細胞解析を依頼することができなかった。このため解析依頼経費が未使用になってしまった。しかし本解析は研究遂行に不可欠であるため、2023年度は当初計画通りの研究実施に加え、2021年度から繰り延べている解析依頼も行う予定である。未使用額は当初目的のまま、この解析依頼経費に充てる。
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