研究課題/領域番号 |
21K19301
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研究機関 | 総合地球環境学研究所 |
研究代表者 |
陀安 一郎 総合地球環境学研究所, 研究基盤国際センター, 教授 (80353449)
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研究分担者 |
由水 千景 総合地球環境学研究所, 研究基盤国際センター, 研究員 (50609394)
山口 保彦 滋賀県琵琶湖環境科学研究センター, 総合解析部門, 研究員 (50726221)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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キーワード | 同位体分析 / アミノ酸 / 食物網 / 微生物 |
研究実績の概要 |
本年度は研究の開始年であるため、研究設備や実験に必要なシステム開発を重点的に行なった。 地球研においては、初年度は分析環境の整備を進めた。すでに立ち上げ済みのHPLC-CAD分取システムについて、これまではGC-C-IRMS分析を念頭に、分析カラムを用いた分取を行ってきた。しかし今後は測定値の妥当性検討のため、分取アミノ酸の元素分析計-同位体比質量分析計(EA-IRMS)による分析も予定しているため、セミ分取カラムを用いたシステムの構築に着手した。 琵環研では初年度、分析環境の整備を中心に進めた。高速液体クロマトグラフ-荷電化粒子検出器(HPLC-CAD)と分取コレクターのシステムの立上げを進め、アミノ酸分子別分取精製の手法を検討した。高速液体クロマトグラフ-蛍光検出器(HPLC-FLD)のシステムの立上げも並行して進め、アミノ酸の濃度・組成の迅速分析手法を検討した。誘導体化等のアミノ酸分析前処理のための環境整備を進めた。また、文献情報や過去の分析データを整理し、多分子のアミノ酸窒素同位体比を効率的かつ包括的に測定するための手法の組み合わせを検討した。誘導体化の種類の使い分け、HPLC-CADによる分取精製、ガスクロマトグラフ-同位体比質量分析計(GC-C-IRMS)分析におけるGCカラム使い分けにより、最大で16種類のアミノ酸窒素同位体比が測定できる可能性が見出された。さらに、微生物を経由する腐食連鎖の寄与が期待できる食物網の天然試料として、水域では、琵琶湖の懸濁態有機物(POM)や動物プランクトン等の試料を採取した。細菌細胞サイズのPOM画分の分析に向けて、採取に適切なフィルター素材・孔経を検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度は、新型コロナ(COVID-19)に起因するいろいろな問題により研究の進展が遅れた。本年度は研究の開始年であるため、研究設備や実験に必要なシステム開発を重点的に行なった。試料の分析は、次年度以降に行う。
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今後の研究の推進方策 |
多分子アミノ酸窒素同位体比の分析法の開発を継続する。誘導体化の種類の使い分け、HPLC-CADによる分取精製、ガスクロマトグラフ-同位体比質量分析計(GC-C-IRMS)分析におけるGCカラム使い分けを試行し、効果的な手法の組み合わせを絞り込む。特定のアミノ酸(スレオニン等)については、採取済の微生物培養実験試料について、既存手法を活用して、先行してデータを取得することを検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度は、新型コロナ(COVID-19)に起因するいろいろな問題により研究の進展が遅れた。本年度は研究の開始年であるため、研究設備や実験に必要なシステム開発を重点的に行なった。試料の分析は、次年度以降に行う。次年度以降に、所期の目的を達成できるように検討したい。
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