本研究は、脳皮質形成過程の形態形成運動の機械的ストレスにより生じるDSBが、特定のクロマチン構造やDNA配列を標的とするかをマルチオミックス解析により検証することを目的とした。END-seq法、gH2AXに対するChIPseqおよびCUT&Tag法を確立し、in vitro遊走アッセイで隘路通過後に増加するDSBのピークの同定を試みた。しかし上記培養系は回収率と実験操作で生じるDNA損傷のため不適であることが判明した。そこで脳組織を凍結後に核を採取し、精製過程にDNA損傷修復反応が起こらない条件でクロマチン精製する方法を最適化して検証したところ、転写活性領域にDSBが集積することを確認した。
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