研究課題
挑戦的研究(萌芽)
既存の薬剤の半数は、標的酵素と特異的に結合することで効果を発揮する酵素阻害剤である。しかし、正常な細胞や組織においても、少なからず標的酵素は発現しており、これを阻害することによって、多大な副作用が生じる。そこで、より高い精度で、標的酵素へと機能する薬剤の開発が急務の課題である。この課題を解決するため、標的酵素活性特異的に阻害剤を放出する分子システムを開発しており、また、光で標的部位特異的に機能させることができる薬剤も開発した。
ケミカルバイオロジー
本研究によって得られた分子内転位反応を利用した阻害剤構築法によって、副作用を減弱できうる機能性薬剤「スマートドラッグ」の新規デザイン法が確立され、創薬技術ならびに創薬戦略の向上・発展に貢献できる。また、光制御型ROCK阻害剤の開発およびその成果を通じて、全身毒性を大きく抑えた状態で、疾患部位特異的に光で作用させる次世代の光薬剤治療法(光薬理学)の発展にも大きく貢献できる。