気液界面の薬物捕捉媒場としての可能性に着目し、空気を吸着材として用いる薬物分離技術を創案した。気液界面への界面活性剤の吸着は広く知られており、界面がバルクの水と比べて疎水的な性質を持つことは古くから指摘されていた。しかし、気泡を水中物質の吸着材とする考えはこれまでになかった。本研究は、空気が薬物を選択的に捕捉する吸着材となることを見出し、応用の可能性を示した世界で初めての成果である。 薬物の精製には主に晶析やクロマトグラフ分離が用いられており、多量の有機溶媒やエネルギーを必要とする。分離精製により発生する廃棄物や再生も課題であった。本法の実用化により、迅速かつ持続可能なプロセスとなる。
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