本研究により、感染抵抗性と腸内細菌叢の制御に関わる神経細胞が、コリン作動性、GABA作動性、グルタミン酸作動性神経が混在した神経細胞群であることが示唆され、単一の腸内細菌のみを有する場合でも、その腸内細菌の量的な制御に関わり、腸内細菌に対する抵抗性の発現に関わる事が明らかとなった。今後、今回行った遺伝子発現解析をもとに、神経の特徴付けがさらに進み、同等の神経細胞が哺乳動物にも存在するのか、さらには、同様の神経支配機構が哺乳動物でも腸管恒常性を制御しているのかなど、免疫系の神経支配による恒常性維持機構の解明が進むことが期待できる。
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