研究課題
挑戦的研究(萌芽)
Huh-7細胞におけるPIの分解過程をd8グリセロール標識により検討した結果、PIの分解には分子種特異性があり、非アラキドン酸含有PIの半減期が短いことが明らかとなった。LPLAT11欠損細胞におけるPI分解亢進に関わる因子を探索した結果、PI-PLC活性が報告されているPLCファミリー、PLCXDファミリーおよびSMSrの発現抑制ではPIの分解は抑制されなかった。一方、PI分解を抑制する化合物をスクリーニングする中で、脂質ホスファターゼの阻害剤がPI分解を阻害することを見出した。
脂質生物学
本研究成果から得られた分子種特異的なPI分解ならびにPI-PLCの候補をさらに検討することで、非アルコール性脂肪性肝疾患の病態形成に関わるPI代謝およびその実行分子が明らかとなり、非アルコール性脂肪性肝疾患の新たな診断・治療戦略を提供することができる。