これまでCryoEMで立体構造解析されたことがない、2種類のABC多剤排出トランスポーターの立体構造を解析することに初めて成功した。好熱性真核生物Cyanidioschyzon merolae由来のABC多剤排出トランスポーターCmABCB1については、界面活性剤ミセル中に溶解した状態についてX線結晶構造が、すでに我々によって決定されていたことから、界面活性剤中とリン脂質膜中のCmABCB1の立体構造比較が可能となり、今後、両状態での立体構造の違いが明らかになれば、リン脂質と膜タンパク質の相互作用について新たな知見が得られるものと期待される。
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