日本は高齢社会に突入し、神経変性疾患が大きな社会問題になっている。これら疾患では、加齢に伴いタンパク質の凝集体が形成され神経細胞を傷害する。凝集体を形成するタンパク質は、生理的条件下で三次元構造をとれない内因性変性タンパク質で、最近認可された抗体医薬が治療薬として期待されている。しかし、血液脳関門を通過できる抗体医薬は血中濃度の0.1%と極微量であること、また、抗体医薬で脳からアミロイド斑を減少させても、認知機能の低下を止めることはできないため効果は限定的である。そこで、本研究では新しい機序の治療薬の開発を目指し、20Sプロテアソームを活性化させることにより凝集体を分解させる天然物を探索した。
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