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2021 年度 実施状況報告書

オルガネラバイオロジーの新展開

研究課題

研究課題/領域番号 21K19347
研究機関北海道大学

研究代表者

大場 雄介  北海道大学, 医学研究院, 教授 (30333503)

研究期間 (年度) 2021-07-09 – 2023-03-31
キーワード細胞内小器官 / オルガネラマーカー / 蛍光バイオイメージング / エンドサイトーシス / エンドソーム / リソソーム
研究実績の概要

我々は最近、EGF刺激によりエンドサイトーシスを誘導した時、細胞膜から小胞が形成される初期段階で、初期エンドソームマーカーであるRab5と後期エンドソームマーカーであるRab7が長時間同時に局在する小胞が存在することを見出した。このような遷移状態のオルガネラはこれまでに報告がなく、その形成メカニズムや役割は未知である。そこで、この小胞の特徴や運ばれる物質、形成に関わる因子を調べ、Rab5/7ダブルポジティブ小胞の生理的意義を明らかにすることを目指した。はじめに、Rab5/7ダブルポジティブ小胞に局在する分子を調べ、EEA1およびSNX5が共局在することがわかった。Rab5/7ダブルポジティブ小胞は2-5 μmの大きい小胞であり、また、この小胞と共局在するSNX5はマクロピノソームのマーカー分子として知られていることから、Rab5/7ダブルポジティブ小胞はマクロピノサイトーシスによって形成されるマクロピノソームであることが示唆された。
次に、この小胞によって輸送される物質および輸送経路を調べた。Rab5/7ダブルポジティブ小胞はEGF刺激後に形成されることから、EGF受容体がこの小胞内に含まれているかどうかを調べた。その結果、Rab5/7ダブルポジティブ小胞とRhodamine標識EGFは共局在しており、この小胞はEGF受容体を輸送していることが示唆された。また、Rab5/7ダブルポジティブ小胞の挙動をタイムラプスイメージングで観察したところ、リソソームマーカーのみと共局在したことから、この小胞は分解経路に輸送されることが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

調書に記載した初年度の研究計画を順調に実施したから。

今後の研究の推進方策

今後は、Rab5/7ダブルポジティブ小胞の形成に関わる因子を探索する。近年、Rabタンパク質C末の脂質修飾以外の翻訳語修飾による機能制御が着目されているので、リン酸化による制御とキナーゼの同定には特に注力する予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (3件) (うちオープンアクセス 1件) 産業財産権 (1件)

  • [雑誌論文] ウイルスの細胞侵入を視る2022

    • 著者名/発表者名
      藤岡容一朗,天野麻穂,大場雄介
    • 雑誌名

      医学のあゆみ

      巻: 280 ページ: 922-925

  • [雑誌論文] 弱い相互作用のインターフェースと細胞応答の当時可視化を実現するイメージング技術2022

    • 著者名/発表者名
      吉田藍子,藤岡容一朗,天野麻穂,大場雄介
    • 雑誌名

      Drug Delicery System

      巻: 37 ページ: 102-111

  • [雑誌論文] A method for the generation of pseudotyped virus particles bearing SARS coronavirus spike protein in high yields2021

    • 著者名/発表者名
      Fujioka Yoichiro、Kashiwagi Sayaka、Yoshida Aiko、Satoh Aya O.、Fujioka Mari、Amano Maho、Yamauchi Yohei、Ohba Yusuke
    • 雑誌名

      bioRxiv

      巻: - ページ: -

    • DOI

      10.1101/2021.07.30.454063

    • オープンアクセス
  • [産業財産権] シュードタイプウイルス集団及びその製造方法2021

    • 発明者名
      大場雄介,藤岡容一朗
    • 権利者名
      北海道大学
    • 産業財産権種類
      特許
    • 産業財産権番号
      特願2021-125781

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公開日: 2022-12-28  

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