従来から、嗅覚受容体による匂い識別について、「組み合わせコード」が提唱されていたが、これは単一の匂い物質がどのように嗅覚受容体によって認識されるのかを記述したものであった。本研究では、匂いの混合物のコーディング機構を研究し、匂い分子と受容体の組み合わせコードがオルソステリックサイトとアロステリックサイトの両方で存在すること、両者の組み合わせによって匂いの混合物のコーディングが決まることを明らかにした。この成果は、1000種類の嗅覚受容体による匂い識別の理論を確立するものならず、香料や消臭剤を新たに開発する上で重要な視点になると考えられる。
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