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2023 年度 研究成果報告書

腫瘍リンパ管新生の本態の解明

研究課題

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研究課題/領域番号 21K19357
研究種目

挑戦的研究(萌芽)

配分区分基金
審査区分 中区分48:生体の構造と機能およびその関連分野
研究機関東京理科大学

研究代表者

昆 俊亮  東京理科大学, 研究推進機構生命医科学研究所, 准教授 (70506641)

研究期間 (年度) 2021-07-09 – 2024-03-31
キーワードリンパ行性転移 / リンパ管侵襲 / EndMT
研究成果の概要

がん細胞は血管またはリンパ管を介して転移するが、がん細胞がどのようにしてリンパ管に侵襲するかはよくわかっていない。本研究では、腸管にてリンパ指向性に転移するマウスモデルを解析した結果、腫瘍の進展に伴って、腸管のリンパ管である乳糜管が退行することを明らかにした。さらに、single cell RNA-seqの結果より、リンパ管内皮細胞では内皮―間葉転換(EndMT)に関わる分子の発現が顕著に変化することを突き止め、実際に腫瘍部位のリンパ管内皮細胞ではEndMTが誘導されることを明らかにした。これらの結果より、がん細胞はリンパ管内皮細胞にEndMTを誘導し、リンパ管内に侵襲することが示唆された。

自由記述の分野

腫瘍発生学

研究成果の学術的意義や社会的意義

悪性化したがん細胞は、血管もしくはリンパ管に侵襲し転移するため、このプロセスを抑止する解法を導出できれば、既存の抗がん剤や外科的処置との併用によりがんの治療効率の大幅な改善が期待できる。本研究成果では、がん細胞がリンパ管内皮細胞にEndMTを誘導することにより、リンパ管の構造不安定化を惹起し、管内に侵襲することを示唆する結果が得られた。リンパ管侵襲に関する研究を臨床医学に応用する試みはまだ世界でも始まっておらず、がん手術時にリンパ節郭清が標準的に行われている本邦こそが世界に先んじてこの研究分野のイニシアティブをつかむべきである。

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公開日: 2025-01-30  

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