我々は最近、RANKL逆シグナル経路が骨芽細胞分化および骨形成促進に寄与することを見出したが、免疫系における逆シグナルの役割は未解明である。本研究ではまず、RANKL逆シグナルが選択的に抑制されている変異マウスに対してB16-F10あるいはMC38細胞を皮下移入した場合、腫瘍組織の増大が野生型マウスと比較して遅延することを見出した。また、RANKL逆シグナルを抑制する抗体改変分子を取得し、MC38皮下移入モデルに投与したところ、同様に腫瘍組織の増大が抑制される事が明らかとなった。一方、抗PD-1抗体と併用した場合の上乗せ効果は認められなかった。今後も、作用機構を特定するための検討を継続する。
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