研究課題/領域番号 |
21K19405
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分50:腫瘍学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
滝田 順子 京都大学, 医学研究科, 教授 (00359621)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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キーワード | 胎児性腫瘍 / 神経芽腫 / 肝未分化胎児性肉腫 / 肝間葉系過誤腫 / マルチオミクス解析 |
研究成果の概要 |
小児固形腫瘍の多くは、依然として予後不良であり、有用な治療標的は同定されていない。成人がんとは異なり、体細胞遺伝子変異が少ないことから、その多様な分子病態は今尚多くが不明である。そこで本研究では、小児固形腫瘍の分子病態を解明するために多層的オミクス解析を実施した。その結果、神経芽腫において、がん幹細胞マーカーであるCD144とセリン代謝に関連するPHGDHが新規治療標的となりうることを示した。更に肝未分化胎児性肉腫(UESL)と肝間葉系過誤腫(MHL)の病態にはC19MCの構造異常によるmiRNAの発現上昇が関与しており、UESLの悪性化にはTP53経路が関与していることを見出した。
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自由記述の分野 |
小児医学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
小児固形腫瘍は一般的に遺伝子変異が少ないことから、臨床的多様性を規定する分子病態が十分に解明されていなかった。本研究によって、胎児性腫瘍である神経芽腫において、遺伝子変異によらないCD144およびPHGDHが新規治療標的となりうることが示され、また肝未分化胎児性肉腫では、均一な分子病態を有することが明らかとなった。本研究の成果により、胎児性腫瘍の臨床的多様性の分子病態の理解が一段と深まった。本成果は、小児がん領域において開発が進まなかったがん免疫治療の提案に寄与し、更にmiRNAクラスターであるC19MC領域の機能の解明の一助にも貢献するものであり、臨床的かつ学術的なインパクトは大きい。
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