研究課題/領域番号 |
21K19409
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分50:腫瘍学およびその関連分野
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
鵜殿 平一郎 岡山大学, 医歯薬学域, 教授 (50260659)
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研究分担者 |
工藤 生 岡山大学, 医歯薬学域, 助教 (40830378)
西田 充香子 岡山大学, 医歯薬学域, 助教 (60844644)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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キーワード | 腫瘍血管 / 代謝 / 一酸化窒素 / 腫瘍浸潤CD8T細胞 / インターフェロンγ / 低酸素 |
研究成果の概要 |
癌患者が間歇的な絶食(ファスティング)を行うことで腫瘍が縮小する場合があることが報告されている。我々は、ファスティングとメトホルミンの併用が強力な抗腫瘍効果を発揮する可能性を新たに見出した。本研究では、その分子機構の一端を明らかにすることができた。メトホルミンとファスティング併用時に観察される優れた抗腫瘍効果は、腫瘍血管内皮細胞の解糖系抑制に伴う正常化、さらに血管正常化に伴う腫瘍微小環境の酸素化(HIF1α発現の減少)による腫瘍浸潤CD8T細胞(CD8TIL)の流入増加とインターフェロンγ産生の亢進、Foxp3+細胞数の減少がその主な原因である事が考えられた。
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自由記述の分野 |
免疫学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
癌患者が間歇的絶食を行うことで腫瘍が縮小する場合があることが報告されている。癌細胞にグルコースをはじめとする栄養素を与えないとする兵糧攻めがそのメカニズムの一つだと考えられている。我々の今回の研究は、絶食にメトホルミン投与を併用することで、より強力な抗腫瘍効果を発揮する可能性を新たに見出した。その分子機構の一端として、腫瘍血管内皮細胞の正常化、それに伴う腫瘍微小環境の酸素化、さらには免疫CD8T細胞の腫瘍への流入増加とインターフェロンγ産生の亢進、制御性T細胞の減少が主な原因である事が示された。間歇的絶食による抗腫瘍効果メカニズムの理解を助けるに資するエビデンスを得ることができた。
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