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2022 年度 実績報告書

フェロトーシスに対するSMARCA4変異肺癌細胞の脆弱性を利用した治療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 21K19417
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

永野 修  慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 准教授 (30404346)

研究期間 (年度) 2021-07-09 – 2023-03-31
キーワードSMARCA4 / フェロトーシス / 肺癌
研究実績の概要

SMARCA4のステータスによるフェロトーシスとアポトーシスの調節機構の解明を目的として次のような研究を実施した。1. SMARCA4 のクロマチンリモデリング機能によって制御される分子の同定:SMARCA4を欠失している非小細胞肺がんA427細胞のSMARCA4安定発現細胞を用いて網羅的オープンクロマチン領域解析(ATAC-Seq)のデータ解析を実施した。まず、SMARCA4 の強制発現によってオープンクロマチンに変化した遺伝子のうちフェロトーシス抵抗性遺伝子を同定するために、公共データベースを利用して細胞株における発現がフェロトーシス誘導剤RSL3の感受性と逆相関する遺伝子について抽出したところ84遺伝子を同定した。とくにフェロトーシス抵抗性との相関が高く、フェロトーシスとの関連が報告されていない候補遺伝子としてSMYD3、LTBR、PFKPを同定した。2.細胞死調節因子の同定:フェロトーシス感受性が高い小細胞肺癌を用いた解析からCASP8遺伝子(Caspase8)が欠失あるいは発現低下していることが明らかとなった。そのため、Caspase8の発現がフェロトーシス感受性に影響するかについて検討した。その結果、Caspase8はNRF2を介した抗酸化シグナルを促進するp62/SQSTM1の発現を負に制御することでフェロトーシス感受性を制御する因子であることが分かった。そのため、CASP8が欠失している神経内分泌系腫瘍ではフェロトーシス抵抗性が亢進していることも細胞株データベースより明らかとなった。また、非小細胞肺がんH441細胞に対する阻害剤およびCASP8遺伝子ノックアウトの効果を検討したところ、CASP8の機能阻害によってp62/SQSTM1の発現が安定化することでフェロトーシス抵抗性を上昇することが明らかとなった。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (4件) (うち国際学会 2件、 招待講演 4件)

  • [学会発表] がん転移におけるフェロトーシス抵抗性2022

    • 著者名/発表者名
      永野修
    • 学会等名
      第31回日本がん転移学会学術集会・総会
    • 招待講演
  • [学会発表] シスチントランスポーターxCTとALDHを標的とした新しいがん治療2022

    • 著者名/発表者名
      永野修
    • 学会等名
      日本薬物動態学会第37回年会
    • 招待講演
  • [学会発表] Development of cancer therapy by simultaneous targeting of cystine-glutamate antiporter xCT and aldehyde dehydrogenase2022

    • 著者名/発表者名
      Osamu Nagano
    • 学会等名
      The Cold Spring Harbor Asia conference on Iron, Reactive Oxygen Species & Ferroptosis in Life, Death & Disease, AWAJI, JAPAN
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] Novel approach for cancer therapy by simultaneous targeting of xCT-dependent cystine transport and aldehyde dehydrogenase activity2022

    • 著者名/発表者名
      Osamu Nagano
    • 学会等名
      Redox Week in Sendai 2022
    • 国際学会 / 招待講演

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公開日: 2023-12-25  

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