小細胞肺がん(SCLC)がNAD合成抑制に著しく脆弱な一方、非小細胞肺がん(NSCLC)を含む他がん種はあまり感受性を示さない。このような差異のメカニズムを知るため、主要なNAD合成経路であるサルベージ経路(律速酵素NAMPT)の阻害剤で処理した細胞の代謝形質について解析した。SCLCのエネルギー状態維持が解糖系GAPDHに依存しているのに対し、NSCLCではGAPDH失活条件下でもエネルギー状態を維持できることが明らかになった。そのような違いが、エネルギー産生/NADホメオスタシス相互依存からの脱却に寄与しているものと示唆された。
|