研究課題/領域番号 |
21K19428
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
雨森 賢一 京都大学, 高等研究院, 特定拠点准教授 (70344471)
|
研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2025-03-31
|
キーワード | 神経生理学 / 認知神経科学 / 不安障害 / 大脳基底核 / 脳の大規模ネットワーク / 非侵襲刺激 / 磁気共鳴画像法 / 微小電気刺激法 |
研究実績の概要 |
独自に開発したマルチサイト記録法を駆使して、EMによって人為的な不安状態の誘導を行い、その間に、不安ネットワークから神経活動の多点同時記録を行った。こうした不安ネットワークに対して、多点同時LFP記録を行い、ベータ波を介した情報の流れがあることを新たに発見した。この研究では、辺縁系皮質と認知系皮質を含むこの4つの領野から、課題遂行中の神経活動の同時記録を行い、神経振動を介した階層的な相互作用が存在することを明らかにした。これらの大規模データをもとに、神経振動のグレンジャー因果解析、スパイク駆動 LFP解析など、神経信号の方向性を明らかにするネットワーク解析を行い、不安コネクトームを構成する4つの領野の間のトップダウン信号を同定し、Nature Communications 誌にアクセプトされた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、マカクザルにBalloon analog risk task (BART)を訓練し、計算論モデルを導入することで、サルがリスクや予測のあいまいさに対する悲観的な価値判断を行っていることを、定量的に明らかにした。EM刺激の準備も順調で、研究はおおむね順調に進展している。
|
今後の研究の推進方策 |
ヒトやマカクザルの脳に対する経頭蓋骨な脳刺激法として注目されている超音波を利用し、超音波刺激による DBS の実現を目指し、マカクザルの大脳辺縁系を対象として、新しい刺激法の開拓を行う。
|
次年度使用額が生じた理由 |
投稿論文が年度をまたいでアクセプトとなった。したがって、予定していた出版費の出費が、次年度に持ち越されたため。
|