精神障害の根本原理の解明と治療法の開発が現代医療の最大の課題の一つともいえる中、本研究では光遺伝学技術を用い、巨大脳を有するマカクサルでのオプトジェネティクスを成し遂げた。神経回路の起始停止を定め直接的に活性化及び不活性化を施すことで、意思決定機能の細部に正確かつ直接的に作用した。光遺伝学的手法による神経路選択的な操作を用いた神経回路レベルでの長期介入から、リスク依存的意思決定様式の形成過程を示す脳内機構の解明を試みた研究は過去に見られない。ヒトの意思決定様式の形成過程を示す脳内機構の解明と、精神神経疾患の治療戦略モデル提唱に向けた実証的な結果が得られたといえる。
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