研究課題/領域番号 |
21K19447
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分52:内科学一般およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
澤本 伸克 京都大学, 医学研究科, 教授 (90397547)
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研究分担者 |
綾木 孝 京都大学, 医学研究科, 助教 (60749555)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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キーワード | 7テスラMRI / 嗅内野 / 側頭葉皮質 / マイネルト基底核 / アミロイドβ / タウ |
研究成果の概要 |
アルツハイマー病では剖検脳の解析に基づき、「神経変性は嗅内野など側頭葉皮質から始まり、マイネルト基底核に進展することで記憶障害を発症する」いう考えが有力視されてきた。一方、「変性はマイネルト基底核から始まり、これだけでは記憶障害は発症しない」という考えも提案されている。本研究では、磁気共鳴画像法を用いた超高感度・高解像度撮像と症候評価を行った。その結果、マイネルト基底核と側頭葉皮質の変性は強く相関し、両者を分離することは困難であった。さらに、媒介分析を適用することで、マイネルト基底核の変性が、側頭葉皮質の変性を介して、言語性記憶の発症に関与することを示唆する結果を得た。
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自由記述の分野 |
病態神経科学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
神経変性疾患は、異常タンパク質が細胞間を伝播することによって神経細胞死が一定の様式で進展するという仮説が受け入れられつつあり、現在、異常タンパク質を取り除く治療法の開発努力が継続されている。この異常タンパク質の除去については、神経細胞が変性した段階で行っても治療による改善は難しいという見方が、アルツハイマー病を対象としたこれまでの治験の結果から有力視されている。したがって、異常タンパク質を除去する根本的治療が開発できれば「変性がどこから始まってどのように広がるのか、変性の広がりと臨床症候はどう対応するのか」は治療介入時期の決定に必須の情報となる。
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