インプリンティング疾患ベックウィズ・ビーデマン症候群(BWS)は、ICR1の異常高メチル化で発症する。正常ICR1のメチル化はアレル間で異なり、その維持にはSOX2/OCT4結合部位(SOBS)とCTCF結合部位(CBS)が重要であるが、分子機構は未解明である。マウスICR1のSOBSと4ヶ所のCBSに変異を導入した変異マウスパネル(10系統)を作製し、解析した。その結果、ICR1のメチル化維持の鍵部位はSOBSとCBS3であり、これらの領域にSOX2/OCT4とCTCFが結合できなくなるとクロマチン構造が変化することで高メチル化が生じ、表現型を惹起する遺伝子発現変化が起こると示唆された。
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