研究課題
PETやSPECTを使用することで、ウイルス感染症の病態の進行をイメージングすることが可能である。これまでの我々の研究で、18F-FDGや68Ga-citrateを用いたPETイメージングで、致死率の高いSFTSVによる感染マウスの炎症部位の経時変化を画像化できることを報告している。本研究では、SFTSVを標的とした分子プローブの合成とウイルスの病態ダイナミクスを追跡できるツールとしての有用性評価を実施している。前年度には、111In標識抗体をSFTSV感染Vero細胞に添加したところ、111In-N-mAbの結合率が感染度に依存して上昇し、さらにコントロールIgGの111In-CIgGよりも有意に高い集積が確認され、111In-N-mAbがin vivoイメージング剤として展開できることが示唆された。本年度は、111In-N-mAbを用いたSFTSV感染マウスの生体内分布評価およびSPECT/CT評価を中心に検討を行い、ex vivoオートラジオグラフィーなどの定量的な評価にて非感染マウスに比べて感染マウスにおける腸管や脾臓に高い集積が確認され、SPECT評価においても明瞭な腸管や脾臓への高いシグナルが観察された。さらに詳細な組織学的な検討においても、抗体染色部位と111Inリガンドの集積の一致が確認された。以上より、111In-N-mAbがSFTSV選択的な核医学診断薬剤として機能しうることが示された。
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