研究課題
本研究では、代表的な心血管疾患である動脈硬化・心房細動・大動脈弁狭窄症を個別の疾患ではなく、加齢に伴って進行する組織リモデリングである、と定義し、これらの心血管疾患として代表的な3疾患の発症・進行のメカニズムとリスク因子を検討している。具体的には、順天堂大学が冠動脈インターベンション(PCI)施行症例に関する臨床データベース(1984年-現在)、心房細動アブレーション施行症例に関する臨床データベース(2015年-現在)、経カテーテル大動脈弁置換術(TAVI)施行症例に関する臨床データベース(2016年-現在)を有しており、それらを用いて疫学的な検討を行うと同時に、保存血清を用いてメカニズムの検討を行っているが、その進捗は当初の計画からやや遅れている。本研究計画の最終年度である本年度は主に臨床データベースの統計学的解析とその研究成果の公表、さらにClonal Hematopoiesis of Indeterminate Potential (CHIP)やあるいはmiRNA/ ncRNAにおける治療標的の探索を継続し、次研究計画への継続を検討している。特に統計学的解析では、糖尿病を合併した冠動脈インターベンション症例におけるInsulin like growth factor (IGF)1、Stromal derived factor (SDF)1の予後への影響、PCI症例における腎機能障害と糖尿病がどのように予後へ影響を及ぼしているか、特に尿蛋白の量と予後についての検討を行い、欧州心臓病学会(European Society of Cardiology)での結果公表と、前者については論文として公表を行った。大動脈弁狭窄症にTAVIを施行した症例における予後へのリスク因子、特に性差や心エコーで測定できる肺高血圧の予後への影響について解析を行い、その成果を論文として公表した。
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