研究課題/領域番号 |
21K19463
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
笠原 和美 (疋島和美) 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 主任研究員 (30706164)
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研究分担者 |
釣木澤 朋和 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 主任研究員 (10716210)
阿部 十也 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 脳病態統合イメージングセンター, 部長 (60588515)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2025-03-31
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キーワード | negative BOLD / fMRI / MRI / 神経活動抑制 / デフォルトモードネットワーク |
研究実績の概要 |
神経活動には、興奮性と抑制性の活動があり、どちらも生体にとって重要な役割を担う。機能的磁気共鳴画像(fMRI; functional Magnetic ResonanceImaging)は、非侵襲的に全脳の活動を観測できるため、神経科学研究のツールとして世界中で利用されている一方、この手法は興奮性の活動のみを想定し、解析ツールの計算方法が定義されている。そこで本研究は、脳活動の電位変化を計測する脳波とfMRIを計測し、fMRIで計測される「負の値」と脳波で計測される「抑制性の神経活動」の関係を解明することで、fMRIによって興奮性と抑制性の両方の神経活動を検出できる新しい手法を開発する。 本年度までに、fMRIと脳波の両方の方法で課題時間や休止時間の異なる複数条件について計測し、fMRIで計測される負の値の領域特性と時間特性をfMRIと脳波を組み合わせることによって明らかにした。本項目は、正負の信号のピーク値に関して追加解析を行ったため、次年度中にあたらめて論文を投稿する。同時に計測を行った記憶課題の正負信号およびネットワークについても論文が2件採択された。学習課題中の脳活動およびネットワークについても正負の信号解析を行い、今年度投稿し2回目の改訂版を送ったところであり、次年度の掲載を目指す。計画していた動物実験についても、超音波計測を追加し、正負の神経活動信号を無事取得できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度から今年度まで実験や解析を前倒して実施しており、計画は順調に実施でき、関連研究が複数発表できた。本課題において最も主要な論文がリバイス中であり、論文掲載費用のための1年延長である。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、リバイス中の論文の採択および準備中の論文の投稿を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度は論文掲載費用を残しており、現在改定中の論文掲載費用にあてる。
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