研究課題/領域番号 |
21K19467
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研究機関 | 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪母子医療センター(研究所) |
研究代表者 |
松尾 勲 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪母子医療センター(研究所), 病因病態部門, 部長 (10264285)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2025-03-31
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キーワード | 子宮筋収縮 / マウス / 胚発生 / 形態形成 / 性ホルモン / 子宮内圧力 |
研究実績の概要 |
マウスの妊娠期における子宮筋収縮の制御機構については、ほとんど解析されていない。そこで、まず妊娠中期でも子宮筋収縮が起きているのかについて検討した。まず、妊娠初期から中期(受精後6.5日目から10.5日目)のメスに対して、微小な圧力計がマウントされたマイクロカテーテルプローブを用いて脱落膜内の圧力を計測した。その結果、受精後10.5日目でも子宮筋収縮が起きていることが分かった。現在、受精後6.5日目から10.5日目に渡って子宮内にかかる圧力がどのように変化しているか詳細なデータ解析をすすめている。また、このような子宮平滑筋の収縮が性ホルモンによって制御されている可能性を検討するため、メスマウスの血清中のホルモン量の計測が可能かどうか検討した。特に、子宮平滑筋収縮に影響を与えることが示唆されているプロゲステロン、エストロゲン、オキシトシンについて計測可能かどうか調べたところ、定量的な計測結果が得られた。今後、統計的に処理可能な検体数まで、マウスの検査対象を増やす予定である。以上のようにマウスの器官形成期である10.5日目においても、子宮筋収縮によって胚に圧力がかかっていることがわかったので、このような圧力が胚の発生や器官形成に何らかの機能を果たしていることが想定できる。そこで、受精後6.5日目から10.5日目の期間において、胚にかかる圧力を増加したり、減少したりした場合に、胚発生にどのような異常が生じるか検討するため、各種薬剤を投与してメスマウスの子宮筋収縮がどのように変化するか検討を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
妊娠中期(受精後8.5日目から10.5日目)のメスに対して、微小な圧力計がマウントされたマイクロカテーテルプローブを用いて脱落膜内の圧力を計測することができ、妊娠中期でも子宮筋収縮による圧力が胚にかかっていることを明らかにすることができた。また、マウスの性ホルモンの濃度を微量な血清から、計測可能であることを示せた点は評価できる。
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今後の研究の推進方策 |
受精後6.5日目から10.5日目の期間において、胚にかかる圧力を増加したり、減少したりした場合に、胚発生にどのような異常が生じるか検討するため、各種薬剤を投与してメスマウスの子宮筋収縮がどのように変化するか検討を進める。また、メスマウスが高齢化すると着床不全や発生異常が急激に増加することが知られているが、この要因に子宮筋収縮が関与しているかどうかをマウスをモデルに検討する。高齢化した妊娠マウスの子宮内圧力を計測し、得られた波形を若年の妊娠マウスとの間で比較し、どのような差が認められるか解析する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
初年度使用予定の物品費が当初の計画より少額で済んだため。
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