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2021 年度 実施状況報告書

分泌経路を含むマルチステップを標的とした核酸医薬による肝線維化治療

研究課題

研究課題/領域番号 21K19470
研究機関秋田大学

研究代表者

齋藤 康太  秋田大学, 医学系研究科, 教授 (60549632)

研究期間 (年度) 2021-07-09 – 2023-03-31
キーワード分泌
研究実績の概要

肝線維化に対する根本的な治療法は確立しておらず、肝線維化を直接抑制する薬剤の開発が強く望まれている。肝線維化時に肝星細胞は、炎症性サイトカインによって活性化しI型コラーゲンを大量に分泌する。これが線維化の主な要因となる。これまでに研究代表者は、肝星細胞の分泌経路の変化に着目し、分泌経路関連因子の発現抑制によって、肝線維化を抑制できる可能性を見出した。すなわち、炎症性サイトカインによって刺激を受けた肝星細胞が、転写因子CREB3L2依存的に、小胞の被覆因子として機能するSec23A/Sec24Dを特異的に発現上昇させることを見出し、コラーゲンとは異なる未同定の肝線維化責任因子が小胞体からゴルジ体へと輸送されることで、初期の肝星細胞活性化に関与する可能性を明らかにした。
本研究において代表者は、分泌経路関連因子を含む複数種の標的に対するsiRNAを組み合わせた新規siRNA治療法の可能性を検討することで、線維化抑制効果の増強を目指すことを目標とした。
これまでの挑戦的研究ではHFDによる肝線維化モデルマウスを作成し、siRNAオリゴによる発現抑制を検討した。本年度代表者は、AAVウイルスを用いたshRNAによる発現抑制系を新たに構築することを考えた。本システムを用いることで、さまざまなshRNAを組み合わせた複数種の標的に対する発現抑制を効率的に検証することが可能となる。shRNAを2種同時に発現できるコンストラクトを作成し、AAVウイルスによる発現抑制を現在検討中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本年度はAAVウイルスによる発現抑制の確認を行いたいと考えていたが、現状ではAAVウイルスは作成できたものの発現抑制の検証ができておらず、やや遅れている。

今後の研究の推進方策

AAVウイルスによる発現抑制系が構築されたのちは、さまざまな標的に対するshRNAを組み合わせて肝線維化抑制効果を検証する。

次年度使用額が生じた理由

当初の計画より、物品費および旅費が節約できたため

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2022 2021 その他

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (4件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 細胞分裂期における分泌停止メカニズムの解明2021

    • 著者名/発表者名
      前田 深春、齋藤 康太
    • 雑誌名

      秋田医学

      巻: 48 ページ: 1~7

    • DOI

      10.20569/00005734

  • [学会発表] 小胞体上の分泌ゾーンERESの局在決定機構2022

    • 著者名/発表者名
      齋藤 康太
    • 学会等名
      新学術領域研究「オルガネラ・ゾーン」班会議
  • [学会発表] 小胞体上の分泌ゾーンERESの局在決定機構2021

    • 著者名/発表者名
      齋藤 康太
    • 学会等名
      新学術領域研究「オルガネラ・ゾーン」班会議
  • [学会発表] 細胞分裂期のER exit siteの崩壊と再形成はTANGO1のリン酸化状態により制御される2021

    • 著者名/発表者名
      前田 深春、小松 幸恵、齋藤 康太
    • 学会等名
      第73回日本細胞生物学会大会
  • [学会発表] 細胞周期依存的なTANGO1のリン酸化による分泌制御機2021

    • 著者名/発表者名
      前田 深春、小松 幸恵、齋藤 康太
    • 学会等名
      日本生化学会東北支部 第87回 例会・シンポジウム
  • [図書] クーパー分子細胞生物学 第8版2022

    • 著者名/発表者名
      G. M. Cooper、須藤 和夫、堅田 利明、榎森 康文、足立 博之、富重 道雄、齋藤 康太
    • 総ページ数
      568
    • 出版者
      東京化学同人
    • ISBN
      978-4-8079-2025-9
  • [備考]

    • URL

      https://www.med.akita-u.ac.jp/department/gs/kenkyu-org/kouza/yakuri.html

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公開日: 2022-12-28  

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