研究課題/領域番号 |
21K19474
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
早河 翼 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (60777655)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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キーワード | 胃上皮幹細胞 / 系譜追跡 / 幹細胞ニッチ |
研究実績の概要 |
幹細胞に対するRspondinシグナルの検討を行うため、Tff1-Cre;tetO-Rspo3;R26-LSL-rtTAマウスマウス、およびその受容体のLgr4・Lgr5の条件的ノックアウトマウス(Lgr4flox/flox、Lgr5flox/flox)を用いた解析を行なった。その結果、Rspondin3は幹細胞・頸部粘液細胞に発現するLgr4を介して主細胞への分化を誘導する働きがあった。一方、Lgr5のノックアウトマウスを用いた解析では、Lgr4でみられたような分化誘導機能は確認されなかった。 頸部粘液細胞を標識するMuc6FlpER;R26-FSF-GFPマウス、幹細胞を標識するKitl-CreERT;R26-LSL-RFPマウス、主細胞を標識するGpr30-rtTAマウス・Mist1-CreERTマウス、およびこれらを交配させたマウスを用いた系譜追跡実験により、Rspondin3過剰発現によって伸展がみられる分画は主として頸部粘液細胞であることが示された。 さらに、頸部粘液細胞から主細胞に分化する中間に位置する、両者のマーカーを共発現する中間細胞を選択的に標識するため、Muc6FlpER;Mist1-CreERT;R26-FSF-LSL-mTFP1マウスを作成して系譜追跡実験を施行した。限定的な解析結果からは、この中間細胞は定常状態においては分裂能を有さず、緩徐に主細胞に分化する機能があることが証明された。しかしながら、障害時には脱分化して幹細胞様の機能を有するとの報告があり、このマウスに粘膜障害を惹起して、その動態を解析する予定としている。 また、Muc6陽性細胞についてはFACSにより抽出後にRNAseqを施行した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新規作成を含む複数のマウスモデルを用いる検討であるが、今までのところどのマウスモデルも良好にワークしており、多系統の系譜追跡実験が順調に施行できている。
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今後の研究の推進方策 |
頸部粘液細胞を標識するMuc6FlpER;R26-FSF-GFPマウス、幹細胞を標識するKitl-CreERT;R26-LSL-RFPマウスおよび現在作成中のHes1-CreERTマウス、主細胞を標識するGpr30-rtTAマウス・Mist1-CreERTマウス、およびこれらを交配させたマウスを用いた系譜追跡実験をさらに行う予定としている。 Muc6FlpER;Mist1-CreERT;R26-FSF-LSL-mTFP1マウスの系譜追跡実験についてはマウスに粘膜障害を惹起する予定であり、高容量タモキシフェン投与、DMP777依存性粘膜障害、NSAIDS投与モデル、ヘリコバクターピロリ感染実験などを行う予定である。
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