研究課題/領域番号 |
21K19475
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
藤生 克仁 東京大学, 医学部附属病院, 特任准教授 (30422306)
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研究分担者 |
小島 敏弥 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (30625588)
荷見 映理子 東京大学, 医学部附属病院, 特任助教 (70599547)
中山 幸輝 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (70721885)
杉田 純一 東京大学, 医学部附属病院, 病院診療医(出向) (70755694)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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キーワード | 血球社会 / エピジェネティック変化 |
研究実績の概要 |
我々はこれまでに心臓の機能を規定する新しいメンバーとして、心臓内の免疫細胞に着目して検討を進めてきた。特に心臓内のマクロファージは心臓保護的な作用を含む多彩な機能を発揮する。心臓内マクロファージは常在マクロファージと造血系から単球を経て心臓内で分化し、心臓保護的作用を示すマクロファージが存在する。特に造血系から分化してきた単球は常時マクロファージと異なる作用を示すとされているが、その詳細は明らかではない。我々は、造血幹細胞からどのように単球を経て、心臓マクロファージに分化するのかについて、詳細に検討を行う。どのような状態のときに、単球が心臓内で心臓保護的なマクロファージになれるのかを検討した。その結果、心不全は全身の炎症性疾患といわれているように、全身性の炎症状態が生じている場合には、単球は心臓マクロファージに分化しにくいことを明らかにした。さらに、その分化しづらくなるメカニズムとして、心不全時に、因子Tが減少し、その結果、細胞Sの活性化が低下し、その活性化の低下に伴い、活性型因子Gの濃度が低下することから、組織B内の細胞Sのエピジェネティック変化が生じる。特定のサイトのエピジェネティック変化によって、その後細胞Sから分化する心臓マクロファージは心臓保護的作用を発揮することが出来ずに、心機能が低下し、心臓線維化も進むことが明らかにとなった。心不全でなくても、因子Tが低下する状況や、強制的に因子Gをブロックすると同様に心機能が低下した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
予定実験より早期に良好な結果を得ており、論文投稿としており、現在レビューを受けている。
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今後の研究の推進方策 |
現在投稿中の論文に対して、査読者からのコメントがあれば、そのコメントに対して追加実験を行い、論文発行を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
一部の実験用マウスの交配が十分に進まずに、その分については、翌年度行う予定としたため。
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