ポドサイトは腎臓のろ過フィルターとして働く細胞であり、変性により慢性腎臓病(CKD)をきたす。ポドサイトがフィルターとして機能するためには、細胞骨格が正常に制御され、特異的形態が維持されなければならないが、その機構は不明であった。本研究ではダイナミン1が微小管束化によりポドサイトの一次突起形成を支持し、ダイナミン2がアクチン細胞骨格の再編を担うことを明らかにした。近年CKD患者は急増しており国内で1300万人を超える国民病であるが、腎移植以外の根治療法が存在せず、末期CKDでは人工透析が必要となる。本研究成果はCKD克服につながる分子基盤の一端を明らかにした点で、学術的、社会的意義がある。
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