本研究では、自己免疫疾患におけるレトロエレメント配列の役割を明らかにすることを目的とした。まず、日本人のB細胞株(n=27)のロングリード全ゲノムシークエンスを行うことにより、レトロエレメント多型のカタログを作成した。またIFN-α刺激したB細胞株のロングリードRNA-seqを行い、163,747 種のRNA カタログを作製した。約8割は新規のRNAであり、一部はレトロエレメントを含む未知の遺伝子領域から転写されるものであった。また、これらのRNAの発現に影響する遺伝子多型を網羅的に明らかにし、ゲノムワイド関連解析データと統合解析することによって、自己免疫疾患に関わるものを網羅的に同定した。
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