本研究では、連続肝生検研究および糖尿病薬による介入研究から、NAFLDの肝線維化進展に高血糖が成因として寄与することを示した。既知のヒト肝臓の各細胞クラスターに特徴的な既知の遺伝子パスウェイへのエンリッチメントにより、単細胞RNAシークエンス様解析を行った。連続肝生検では、肝線維化進行に伴い、肝類洞内皮細胞(LSEC)に関与する遺伝子の発現が低下した。A1c上昇に伴い、中心静脈よりの肝細胞で低酸素・酸化ストレス応答遺伝子群の発現が亢進した。12ヶ月間のSGLT2阻害薬治療はLSEC遺伝子群の発現減弱を回復させた。メタボローム解析により、病理の変化を予知する血中のバイオマーカーを絞り込んでいる。
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