研究課題/領域番号 |
21K19504
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
矢部 大介 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 教授 (60378643)
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研究分担者 |
劉 彦言 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 研究員 (10845796)
飯塚 勝美 藤田医科大学, 医学部, 教授 (40431712)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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キーワード | 膵β細胞量 / 糖尿病 / MIP-Cre; Fucci2aRマウス |
研究実績の概要 |
膵β細胞量について糖尿病患者で膵β細胞量が減少することからその重要性は明確であるが、成体における膵β細胞量調節の分子基盤の全容は依然不明であり、膵β細胞量を標的にした糖尿病の予防や治療の方法も一切存在しない。本研究では、申請者らが最近開発した膵β細胞増殖をリアルタイムに観察可能なマウスであるMIP-Cre; Fucci2aRマウス(Diabetes 69(11):2340-2351)から膵島細胞を単離し、96穴プレート上で単層培養を行い、京都大学薬学研究科ファーマコゲノミクス・ケモゲノミクス創薬コアラボの保有する低分子化合物ライブラリー(Sigma-aldrich社既知の阻害剤1,200化合物、GPCRをターゲットにした指向性ライブラリー 2,000化合物、ChemDiv社drug-like構造多様性ライブラリー約10,000化合物を含む)をスクリーニングし、膵β細胞増殖薬の創薬標的を同定することを目的としている。本年度は、MIP-Cre; Fucci2aRマウスのクリーニングを終え、恒常的に膵島単離を可能にできるようコロニーを形成した。そして、同マウスから単離した膵島細胞をコラゲナーゼ処理後、ピペッティングにより単一細胞化して、単層培養を行った。結果、1週間程度単層培養が可能なことを確認しているが、膵β細胞増殖を促進するグルコキナーゼ促進薬を添加しても膵β細胞増殖を確認できていない。この問題に対して、膵島細胞を単一細胞化する方法や培養条件を検討している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
単離した膵島細胞に対して、膵β細胞増殖を促すことが予測され、ポジティブコントロールと考えられるグルコキナーゼ促進薬を添加しても増殖が観察できない点から培養条件の更なる改善が必要なため。
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今後の研究の推進方策 |
単層培養を行うことで、膵β細胞増殖能が低下する可能性を考え、膵島のまま培養することで低分子スクリーニングができるアッセイ系を樹立できるか検討する。また、グルコキナーゼ促進薬以外に、膵β細胞増殖効果が報告される既存の化合物をポジティブコントロールとして検討する。
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