既存の抗生剤には多剤耐性菌の出現・蔓延と、腸内細菌叢の破壊といった重大な問題がある一方、これらを克服する新規感染症治療薬が希求されているものの、2010年代以降新薬は殆ど上市されていない。 本研究では、既存抗生剤や低分子治療薬の作用機序とは異なり、病原細菌の病原性惹起に必要な特異的メカニズムを狙った、全く新規のコンセプトから成る感染症治療方法の創出に挑戦した。具体的には、細菌感染時に誘導される「マクロファージの細胞死を抑制する化合物を開発するために化合物スクリーニングを行い、中分子感染症治療薬としての新規メカニズムに成り得るか」を検証した。
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