研究課題/領域番号 |
21K19509
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
菊田 順一 大阪大学, 生命機能研究科, 准教授 (60710069)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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キーワード | 生体イメージング / ヒト免疫学 |
研究実績の概要 |
免疫システムは、病原微生物からわれわれの体を守るために作られた、生命にとって必要不可欠な生体防御機構である。免疫学研究は、次世代シーケンサーを用いた1 細胞遺伝子発現解析など解析技術が急速に進歩し、免疫応答に関わる数多くの細胞や分子が次々と同定されている。さらに最近、生きた細胞の挙動を観察する生体イメージング研究が発展し、生体内の様々な免疫現象が明らかなってきた。一方で、マウスを中心とした疾患モデル動物で見出された多くの知見がヒトの病態の全てを反映することはできない。例えば、疾患モデルマウスではどの個体も同じように病気を発症し、薬剤に対しても画一的な反応を示すのに対して、実際の患者の症状や臨床経過、薬剤への反応性は患者によってばらつきがある。ヒトの免疫疾患の病態を理解し、より理想的な治療法を開発するためには、マウスとヒトの免疫システムの共通点と相違点を明らかにするとともに、個々のヒトの免疫応答の違いを正しく評価する必要がある。本研究では、これまで開発・応用してきた生体二光子励起イメージング技術をさらに発展させ、ヒト免疫細胞の動態・機能を解析する新たな基盤技術を確立し、ヒト疾患の病態解明と新たな治療法開発の実現を目指す。本年度は、生体内においてヒト免疫細胞が抗原を排除する機序を明らかにするため、マウスの細胞の一部をヒトの細胞に置き換えたヒト化マウスに、蛍光色素で標識したヒト免疫細胞を移植し、マウスを生かしたまま生体組織内を二光子励起顕微鏡で観察することにより、生体内におけるヒト免疫細胞の細胞動態と免疫機能を解析した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
生体二光子励起イメージング技術を駆使して、生体内におけるヒト免疫細胞の動態を経時的に可視化し解析を行うことができ、本年度終了時としては順調に経過している。
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今後の研究の推進方策 |
本年度に引き続き、生体イメージングによるヒト免疫細胞の動態評価系を開発し、ヒト免疫応答の制御メカニズムを解析する。特に、従来のマウスモデルでは解析が困難であったウイルス感染症に対する免疫応答の解析を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、ヒトでの実験が一部制限されたため、次年度に繰り越しを行った。当該助成金は、実験に必要な消耗品費および研究成果を公表するための出張経費に使用する予定である。
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